キャッシュレスの世界最先端を進む国はどこだか知っていますか?
それは北欧の国、スウェーデンです!

スウェーデンでは、どれだけキャッシュレス化が進んでいるのでしょうか?
こういう時に役立つのが経済統計です。
具体的な数字で日本と比較することで、どれだけキャッシュレス化に日本と差があるのかをみていきましょう。
<2016年の現金流通量のGDP比>
スウェーデン | 1.4% |
日本 | 19.9% |
参考サイト:現金の流通量とカード決済の国際比較
これだけでも日本に対してスウェーデンの数字が飛び抜けて低いのはわかりますね。でも、具体的な金額はいくらになるのでしょうか?算出してみましょう。そのためには、GDPの数字が必要ですね。
<2016年のGDP>
スウェーデン | 56兆円 |
日本 | 500兆円 |
参考サイト:世界銀行
さて、これで具体的な現金流通量が計算できますね!日本とどれくらいの差があるんでしょうか??
<2016年の現金流通量>
スウェーデン | 7,840億円 |
日本 | 99兆円 |
なんともすごい差額になりましたね!
スウェーデンは日本の126分の1の現金流通量です。
もちろん日本とスウェーデンでは経済規模が1桁違いますが、それでもこの差は大きいですよね。
このデータからも、明らかにスウェーデンのキャッシュレス化が進んでいることがわかります。
もう少し詳しく、スウェーデンのキャッシュレス化についてみていきましょう!
この記事を読むと・・・
- キャッシュレス化最先端の国スウェーデンの現状がわかる
- スウェーデンの現状から、今後の日本が見えてくる
- 周りの人より一歩先の知識が身につく
目次
スウェーデンのキャッシュレス状況
スウェーデンのキャッシュレス化が進んでいると言われても、具体的にはどんな状況なのでしょうか?具体的に3つの事例をみていきましょう。
①子どもがデビットカードを使用できる!

スウェーデンでは7歳以上になると、デビットカードを銀行で発行してもらうことができます。
デビットカードとは、ショッピングやご飲食時の支払にご利用いただけるカードのことです。クレジットカードとは異なり、口座から即時引き落としされるのが特長ですね。
つまりスウェーデンでは、小学生以上の子は買い物をする時にはデビットカードを使っているってことですね。
これって日本では考えられないことですね。
②街には現金お断りの看板!

スウェーデンの街を歩いてるとよく見かける看板が「NO CASH(現金お断り)」です。
現金での支払いはできませんよ、という店舗が多いのです。
現金を取り扱えば、強盗に合うリスクはあるし、売上高のて計算も必要。
さらにレジでのやり取りも煩雑です。
このような理由から、現金を取り扱わない店舗が多いのがスウェーデンなのです。
(現金を断ることは法律上保証されているのです!)
③ATMが見つからない

キャッシュレス化が進んだスウェーデンでは、日本では当たり前にどこにでもあるATMをなかなか見つけることができません。
銀行の大半は現金を取り扱っていないんです。
現金を取り扱えば、空間的な場所や人材にコストがかかります。
ATM1台の維持費だってバカになりません。
このような理由で、銀行はATMを次々に減らしていったのです。
キャッシュレスを進めた理由は?
このようにスウェーデンではキャッシュレス化がかなり進んでいます。
ではなぜ、スウェーデンではこれだけキャッシュレスを進めたのでしょうか?
それには4つの理由がありました。
①治安の問題
もしも、あなたが現金を持ち歩いている時に運悪く強盗に出会ってしまったら、お金を取られるリスクがありますよね。
また、銀行や実店舗は、強盗に入られたらレジに入っている売り上げの現金を丸々取られてしまうリスクがあります。
現金を取り扱う(持つ)ということは、それだけ強盗の被害に合うリスクが高まるのですね。
では現金を取り扱っていなければどうなるでしょうか?
強盗はそもそも銀行や実店舗に行ったりしませんよね。だって強盗に入っても現金がないんだから。
このように、キャッシュレス化を進めることで治安がよくなるというメリットがあります。実際に2008年から2015年にかけて、強盗発生率はなんとマイナス93.6%にもなったのです。
②消費者の利便性
現金を使用すると、まず財布を持ち歩かなくてはいけません。
きっとあなたにとって財布を持ち歩くということは当たり前でしょう。
けれど、よくよく考えると財布って結構重たいし邪魔です。
財布を持たなきゃいけないと、次はカバンが必要になりますし。
また、お店で支払いをする際には、万札1枚出すとお釣りで小銭が増えて重くなるし
かといって1円単位までぴったり支払おうとするとそれもめんどくさい。
普段は無意識でしてますが、現金での支払いってものすごく煩雑なのです。
さらに家計簿をつけている方ならレシートもしっかりもらわなきゃいけない。
レシートはどんどん溜まっていき、財布はパンパンになる。
まさに悪循環ですね。
これがキャッシュレス化が進み、例えばスマホで決済できるとどう変わるでしょうか?
あなたは出かける際、ポケットにスマホと車の鍵だけ入れておけばそれでOKです。
買い物の支払いをする際も、スマホでピピッと1秒で終了。
煩雑な現金支払いのやり取りは必要ありません。
決済データは全て記録されるので、レシートをもらう必要もありません。
キャッシュレスになると、消費者の利便性は向上するんですね。
③現金取り扱いコスト
現金を取り扱うためには、以下のような様々なコストがかかります。
- 現金を保管するためのコスト
- 現金を計算するためのコスト
- 現金を輸送するためのコスト
- 現金を発行するためのコスト
銀行は現金を保管するために、莫大なコストをかけて金庫を作っています。
たくさんの商売人の方々が、1日の打ち上げを知るために、お札や小銭を数えています。
現金を輸送する際には、強盗などに最大限の注意を測るため、設備や人材に多大なコストがかかります。
現金を発行するためにも、印刷機や紙、人材など様々なコストが発生します。
現金という実体がなくなれば、上記のコストは必要なくなりますよね。
つまり、キャッシュレスは、現金があるがゆえに発生するコストを大幅に削減できるんです。
④お金の流れの透明化による犯罪の防止
例えば、あなたが友人から1万円をもらったとしても、その現金の流れは記録されません。
あなたには1万円という所得が発生しますが、黙って申告しなければこの所得に対しての税金はかかりませんよね。
これがいわゆる脱税です。(ものすごくシンプルに説明してます)
このように現金には、脱税やマネーロンダリングなどの問題がつきまといます。
これを解決するのがキャッシュレスなのです。
電子決済サービスは、クレジット会社や銀行が絡んでいます。それゆえに、しっかりとそのお金の流れは記録され、国が管理することができます。
国がしっかりとお金の流れを管理できれば、脱税やマネーロンダリングは防げます。
キャッシュレスが進むことで、お金の流れが透明化できるのです。
キャッシュレスが普及したのはなんで?
上記のような理由があり、スウェーデンにおいては国や銀行などが率先して、キャッシュレス化が進められてきました。
そして、現在では世界最先端のキャッシュレス大国となったのです。
しかし、なぜここまでキャッシュレスを普及させることができたのでしょうか?
そこには、3つの要因がありました。
①現金紙幣のデザイン変更
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スウェーデンでは、2015年に新しいデザインの紙幣が発行されたのです。(画像は新紙幣)
新デザイン札発行に伴い、旧紙幣は順次廃止される流れとなりました。
さて、これで困ったのは商売をしている方々です。
なぜなら新紙幣に対応したレジを導入しなければ取り扱えないのです。
そのためには新たな出費がかかります。
そこで商売をしている方々は考えました・・・
「そうだ、現金の取り扱いはやめてしまおう!」
キャッシュレス化が進んでいるスウェーデンだからこそ選択できたんですよね。
この流れの中で、キャッシュレス化にとってはさらに追い風が吹きました。
なんとスウェーデン政府は現金精算の義務を一部廃止にしました。
商売をしている方々は、胸を張って「No! Cash!!」と言えるようになったわけですね。
これでキャシュレス化が一気に進んだのです。
②決済アプリ「スウィッシュ」の登場
スウェーデンでは、スウィッシュという決済アプリが普及しており、人口全体の6割がこのアプリを使用しています。
さらに30歳未満の成人に限ると、なんと9割がスウィッシュユーザーなのです。
スウィッシュは、スウェーデンの銀行6社が協力して作成したアプリです。
相手の電話番号などを入力すれば、銀行口座を通じたお金のやり取りができてしまうのです。
これを使えば買い物の支払いはすぐにできるし、友人同士でのお金のやり取りも簡単にできてしまうのです。
スウィッシュが爆発的に普及したために、さらに一気にキャッシュレス化が進んだのです。
日本にも同様なアプリはあります!
わたしがイチオシのアプリはpring(プリン)ですね。
お金コミュニケーションアプリ「pring(プリン)」

お金から、なかよく。
お金とお金のやりとりで、人と人がつながる。
もっとスマートに、もっと楽しく、もっと自由に。
「プリン」は、新しいお金のコミュニケーションをつくるアプリです。
(公式サイトより)
pringのダウンロードはこちらからできます。下記の招待コードを入力すれば800円がもらえるキャンペーン開催中です!
招待コード:R5x4bQ
③銀行の現金離れ
銀行が現金を取り扱わない流れができてしまったことも、キャッシュレスが普及した原因の1つです。
先ほども触れたとおり、現金を取り扱う場合には様々なコストが発生してしまいます。
例えば日本では、ATMやキャッシュディスペンサーの管理だけで年間10兆円ものコストを咲いているのです。
また、現金を店頭においておけば、銀行強盗に押し入られるリスクもあります。
これらを踏まえて、スウェーデンでは現金を取り扱わない銀行が増えてきたのです。
例えばスウェーデンの大手銀行SEBでは、店頭の2/3では現金を取り扱っていません。
店頭サービスとしては、顧客の資産運用相談などを主に行なっていますね。
キャッシュレス大国・スウェーデンのまとめ
以上、スウェーデンのキャッシュレス事情についてお伝えしました。
キャッシュレス化の流れは世界的に起こっています。
そして国際的にみても、日本は完全に出遅れています。
キャッシュレスになれば、脱税やマネーロンダリングは防げるし、大量の購買データによる新たなビジネスも生まれます。また、外国人観光客の利便性も飛躍的に向上します。
今後、日本でも一層キャッシュレスの流れは強まるでしょう。
そんなあなたのために、こちらの記事をご用意しました。
ぜひご覧くださいね!

では最後に「現金がない!?キャッシュレス最先端の国・スウェーデンをまとめてみたよ!」の内容まとめを記載して、この記事を終わらせていただきます。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
スウェーデンのキャッスレス状況は・・・
- 子どもでもデビットカードが使える
- 街で買い物するときに現金はお断りされる
- ATMもなかなか見つけられない(銀行が現金扱ってない)
キャッシュレスを進めた理由は・・・
- 治安を向上させるため
- 消費者の利便性を向上させるため
- 現金の取り扱いコストを減らすため
- お金の流れを透明化して犯罪を防止するため
キャッシュレスを普及させられた要因は・・・
- 現金紙幣デザインの変更により現金取り扱いをやめる人が増えた
- スウィッシュという決済アプリが爆発的に普及した
- 銀行の現金離れ

